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2002年12月7日 更新

プロバイダはどこが良いの?


 以下は、福井県敦賀市にお住まいの方に限定した固有名詞で書いてあります。他の地域にお住まいの方は、自分の住んでいる地域に読みかえてくださいね。

 現在のインターネット規格では、固定速度サービスは不可能です。無条件にベストエフォート型になります。現在では、Web表示速度が遅くなる原因は、プロバイダまでの部分(モデム、ISDN等のダイヤルアップ部分)と、Webサーバがインターネットの基幹回線に繋がる部分にあります。
 福井県最大のmiteneでさえ、基幹回線との接続速度は数十Mbpsです。1Mbpsで繋ぐユーザーならたった数十人分です。サーバから大量のダウンロードを行うユーザーが多ければ、遅くなるのは当然です。
 極端な例を挙げます。フレッツISDNで常時接続しているウェブサーバを運用します。当然、外部からのアクセスは64kbpsが最大速度です。どんなに速い回線からでも64kbpsより速くはなりません。もし、ここに100人から同時にリクエストが来たらどうなります? 現実には、そんなに遅い回線にウェブサーバを置くことはあまりありませんが、1.5Mbps程度の回線に繋がっているサーバは非常に多いです。


 敦賀で使っている人が多いプロバイダ2社の回線をちょっと調べてみました。こういう情報はtraceroute (Windows なら tracert.exe)を使えば簡単にわかります。各バックボーン(基幹回線)の接続状況は各社が公開している情報を拾ってきました。下記の表中の数字は接続速度(Mbps)です。

注意 traceroute はネットワークに大きな負担をかけるコマンドです。頻繁に使うと、プロバイダから注意を受けることもあります。
mitene
IIJ (−非公開−[金沢]−150−[大阪]−2400−[東京]−1000−[IX])

hokuriku-land
info-sphere(−非公開−[福井]−100−[大阪]−2400−[東京]−2000−[IX])

 実際のデータ転送速度を調べてみると大差無いです。ほぼ同じ速度だと言っていいでしょう。混雑している時間帯だと、どこから繋いでも同じです。遅い原因は、データを送り出すサーバの部分が混雑しているからです。

 大抵の人には、RCNのサービスで、不満は出ないと思います。最大5Mbpsで、端末2台まで使用可能で3,200円ですから十分に安いです。500kbpsで2,300円コースでも普通に使う分には十分に満足できると思います。
 常時接続だと、テレホーダイ時間帯の極端な混雑というのは存在しませんから、従来プロバイダよりも幹線との接続速度が小さくても、同等の速度が出ます。ですから、今後の速度が遅い原因は、実際にデータが入っているサーバと基幹回線との接続速度です。中小企業なら、1.5Mbpsで繋いでいるところも多いです。

 私の場合、RCNアクセスプランでmitene接続をしています。平均で、100KB/s(約800kbps)程度の転送速度が出ています(2002年11月現在。実測値は40〜170KB/s)。工事費等の初期費用が無料、モデム代込みで月額3,380円(RCN=1,900円、mitene=1,480円)でこの速度が1週間後には使えるようになるのですから、迷う理由はありません。RCNサービス地域にお住まいの方は、さっさと契約しちゃいましょう。もっと速くて安いサービスが出てきたら、乗り換えればいいだけです。
 なお、現在のmitene接続だと、グローバルIPアドレスが割り振られるため、繋いでいるコンピュータは、インターネットからの攻撃にさらされます。私のところに来ている攻撃は、1日当たり100回くらいです。適切なファイヤーウォールを設置してないと、ほぼ確実に侵入されます。そのため、特別な理由があってグローバルIPアドレスが欲しい場合を除き、RCNの標準プラン(スーパープラン:3,200円)のほうを使うことをお勧めします。攻撃頻度が数百分の一以下になります。


 事実上、地元プロバイダは mitenehokuriku-landmenet(RCN) の3社に絞ってもいいと思います。各社のサービスは、表面上は似たようなものです。うたい文句だけを見ていたらほとんど同じに見えることでしょう。そこで、実速度とサポート体制について書いてみます。
 なお、下記に書いてある内容は、私の個人的な印象と、その時々の実測値に過ぎません。インターネット速度は、常に変化するものですから、ほぼ同条件でも1.5倍程度の差が出ることが多いです。
 電話局に近い人は、各社のADSLサービスを検討されていると思いますが、私のところでは最大0.5Mbps程度という見積もりが出たため、検討から除外しています。ADSL対応地域の半分くらいが同様なので、電話局から遠い人はRCNによる接続を筆頭に持ってきたほうがいいです。

 まずは mitene。三谷商事が運営しているせいか、「顧客サービスとは何か」というのを判っているようです。サービス窓口のサポート体制はかなりいいです。ですが、敦賀市での加入者数が少なく、敦賀−福井間の回線が細いため、最大通信速度が伸びません(最大1.5Mbps程度)。しかし、加入者数に対する回線の太さという点では悪くなく、23:00ごろでも600kbps程度を維持しています。
 現在のところ、グローバルIPアドレスを配布しているため、ネットワークゲーム等のグローバルIPアドレスを必要とするネットワークアプリケーションを使えます。

 次に hokuriku-land。NTTグループのCOCONE'が提供するサービス。所詮はNTTなので殿様商売です。電話配線の技術は持っていますが、インターネットなんて何も知らないと思えば間違いないです。POPサーバ障害、ウイルスバスターのパターン更新失敗などの失態を繰り返しています(改善は遅々として進まないようです)。そのためヘビーユーザーがほとんど残ってないようです。すみませんが実速度データはありません。
 こちらも、グローバルIPアドレスを配布しているようです。

 最後に menet(RCN)。ここは、NTTに丸投げしています。RCN自体の技術力は皆無と言って良いでしょう。サポート実働部隊はNTTなので、hokuriku-landと大差ありません。が、企画立案や決定権がRCNにあるためhokuriku-landよりもサービスが改善される率は高いです。上流回線は最も太いようです。最大4Mbps程度の速度が出ます。

 まとめると、正常に利用できている場合(全利用時間の大部分)はmenet(RCN)が良い。障害時の対応はmiteneが良い、となります。しかし、mitene利用時の障害のほとんどが、RCNアクセス回線部分(つまりRCN受け持ち)のため、結果としてRCNと同等のサポート体制になります。
 よって、RCNのアクセスプランを使うのと、menet(RCN)を使うのでは、サポートに大差無いということになります。2002年12月において、開設当初から存在していた機器不良の修繕がほぼ完了したようなので、RCNもそろそろ安定し始めると推測できます。

 インターネットを使い始めたばかりという人には、menet(RCN)のパーソナルプランの導入がいいと思います。月額2,300円以外は何も必要なくて、最大500kbpsで繋がるわけですから、ごく普通の使い方をしている限り、不満が出ることはありません。速度に不満が出たら、アクセスプラン(mitene, COCONE')かスーパープランに変更すればいいわけです。
 フレッツADSLは月額2,900〜3,200円です。これにプロバイダ料金等が加算されるため、スーパープランの月額料金(3,200円)よりも高くなります。Yahoo! BB は月額3,143円のため、初期費用がかからない分だけmenet(RCN)のほうが安くなります。今の時点を比較すると、敦賀での加入者が少ない Yahoo! BB のほうが速いのではないかと思いますが、電話局の近所で無いとmenetよりも遅くなるでしょう。

 menet(RCN)には不満点も多々あります。ですが、どこのサービスもそれなりに不満点があります。深夜の混雑時間帯を除けば、そこそこの満足度を得られるという点で考えれば、十分に合格点は与えられると思います。


敦賀で利用できる主要プロバイダ

プロバイダ基幹回線/コメント接続料フレッツISDN
mitene IIJ (非公開)[金沢]−150Mbps−基幹回線) 1,480円
hokuriku-land info-sphere(非公開)[福井]−100Mbps−基幹回線) 1,500円
incl HTCN (22Mbps)[金沢]−非公開−IIJ 1,800円
@nifty info-web (非公開) 2,000円
アルファインターネット (非公開)。フレッツISDN専用契約は300円。 980円
TikiTiki インターネット 基本的に県ごとに独立して接続 (非公開) 1,400円
ZestyNET (非公開)。会員を二人紹介すると接続料が無料。 3,000円非対応
ネスク インターネット (非公開)。フレッツISDN専用契約は700円。 1,500円
OCN NTT Communications。非公開。 1,950円
RCN(menet) (非公開)。 3,200円不要

 上記の表は、常時接続する場合の、一番一般的な料金コースです(2001年10月14日現在)。会社によっては、他の料金コースを用意している場合もあります。
 RCN の通信料はCATVの基本料金に含まれています。なお、上記の表ではフレッツISDNのみサポートしている会社は除外しています。すべて、敦賀にアクセスポイントを持っている会社です。

 この表を見ると、大抵の会社が月額1,500〜2,000円です。こうなると、あとはサービス内容を比較して決めることになると思いますが、特別なことをしない人にとっては差がありません。本格的なウェブサイトを公開するとか、複数のメールアドレスを使い分けるとか、敦賀以外からも利用したいとか、国内だけでなく海外からも利用したいとか、そういうときには多少の差が出てきます。


もっと安く、とにかく安く − (メールさえ使えればよい)

 ウェブサイトをほとんど見たりしないという人は、上記のような契約だと無駄な部分が出てきます。回線は遅くてもいいから少しでも安くしたいという場合を考えてみます。
 まず、メール以外はほとんど使わないという場合を考えます。仮定として、1日に3回メールのチェックを行うとします。その場合、電話代は8.5円×3回×30日=765円。この時の総接続時間は、3分8.5円から計算して4時間半以内です。ですから、アルファインターネットの月額980円とか、@niftyの5時間コース(950円)とかのほうがお得になります。
 また、大手プロバイダだと、電話代込みのコースを用意してますが、その3〜5時間のコースは1,000〜1,500円くらいです。この時間以上は使わないのでしたら、こういう電話代込みのコースもお得です。ざっと調べたところ、KDDI の DION コミコミコースライト(4時間まで1,200円)か日本テレコムの ODNまるごと5(5時間まで1,400円)が良さそうです。

 では、もうちょっと使うという人はどうすればいいでしょう。上記の時間無制限コースを契約して、タイムプラス(市内料金が5分8.5円になるNTTのサービス。月額200円。他社も同様のサービスをしています)を使うのが一番いいです。タイムプラスが損になるのは、一ヶ月の市内通信時間が3時間を下回ったときですから、普通に使っていれば損になることは無いです。ちなみに、2,800円分だと約25時間使えます。

 では、i・アイプランはどうでしょう。i・アイプラン1200は、月額1,200円で約18時間の接続が出来るサービスです。タイムプラス契約で1,200円分というと、約12時間です。そのため、1ヶ月の使用時間が約12時間を越える場合は、タイムプラスよりもi・アイプラン1200のほうがお得になります。が、タイムプラスはすべての市内通話が安くなるサービスのため、市内の友人と長電話したりすることを考えると、判断基準は15時間くらいで考えてもいいでしょう。
 i・アイプラン3000は3,000円で約44時間接続できるサービスです。しかし、フレッツISDNは月額2,800円、フレッツADSLは2,900円ですから、こちらにしたほうがいいでしょう。

 テレホーダイはどうでしょう? これは、月額1,800円(一般)/2,400円(ISDN)で23:00〜08:00の料金が固定料金になるサービスですが、いまだに使っている人が多いせいで、この時間帯は非常に混雑しています。そのため、できれば使わないほうがいいです。また、タイムプラスを契約している場合と比較すると、約22時間(一般)/約30時間(ISDN)の料金と同じになります。深夜にしか使えないことを考えると、決して得な契約とは思えません。


筆者から

 この文書は、実測データや実使用ユーザの声などを元に、私が個人的にまとめたレポートです。間違っている部分や言い足りない部分など、お気づきの点がありましたら、筆者までメールしてください。


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